ヤクルトからFAで移籍の巨人相川亮二捕手(38)が、攻守で存在感を示した。最初にキラリと光ったのは打撃だった。12日の紅白戦で1点を追う2回1死一、二塁、小山から逆転の適時二塁打。左翼の堂上が目測を誤ったが、しっかり芯でとらえ、ライナーで運んだ。5回にも高木勇から中前打を放ち、唯一のマルチ安打を記録。「(2安打は)たまたまです。結果的にヒットになってくれた」と話した。

 守備では堅実さが際立った。1回に1点を失ったが、西村、宮国、笠原を好リード。ベテランの洞察力で冷静に投球を組み立て、2回以降は無安打、3回からはパーフェクトの好内容だった。西村には変化球を投げる時に「思い切って腕を振っておいで」と助言。「(強固な投手陣を)バッテリーで、ともに作っていければ」と共闘を誓った。

 原監督は「要という部分で落ち着きがある。見事ですね」と評価した。小林、実松、加藤らと正捕手の座を争う。ベテランの相川が奪うには若く、成長が期待できる2年目の小林以上の力と成績が求められる。「結果を求められる立場。継続してやっていきたいです」。長くこの世界で戦う男は、次なるアピールに視線を向けた。【久保賢吾】