<第82回都市対抗野球:JR東日本1-0富士重工>◇1回戦◇24日◇京セラドーム大阪

 西武がドラフト1位候補に最速148キロの大型サイド右腕、JR東日本の十亀(とがめ)剣投手(23)をリストアップしていることが24日、分かった。この日の都市対抗・富士重工戦(京セラドーム大阪)で先発した十亀は、8回2/3を6安打無失点に抑える力投を見せた。ネット裏では、鈴木葉留彦球団本部長兼編成部長(60)ら主要スカウト陣がそろって視察。評価が急上昇しており、27日のドラフト会議で“一本釣り”する可能性も出てきた。

 ある球団幹部は「今年見た中では一番の内容。投げっぷりがいいし、即戦力になる」と高く評価した。今年入団した右下手投げのルーキー牧田が新人王最有力で、社会人でもまれた変則投げには身近な成功例もあって、魅力は十分。十亀は愛工大名電3年の05年センバツで全国制覇した時の控え投手。日大からJR東日本に進んで成長し、広島も“外れ1位”候補に挙げている。

 西武は東洋大・藤岡、明大・野村も1位リストに残すが、重複指名が確実な状況だ。菊池、大石と2年連続で抽選を引き当てた渡辺監督の強運にかける手もあるが、戦略的には競合指名は避けたい。“一本釣り”を得意にしてきた歴史もあり、他球団の動向次第では「十亀・1位」に絞りこむ可能性も秘めている。