<プロ野球ドラフト会議>◇25日

 星野楽天が本番1時間前の決断で「今中2世」を手に入れた。東福岡・森雄大投手(3年)の指名を決めたのは、会場入りしてから。最後に大阪ガス・松永との二択になった。即戦力では亜大・東浜も挙がったが、加藤統括本部長は「4分の1になる東浜より、2分の1の森。うちはリスクは取れないし、将来性をとった」と説明。森の力を評価した上で、他球団の動向を見極めた。広島が森指名を表明していたが、星野仙一監督(65)も「社長も気合入っていたしね」とゴーサイン。くじを引き当てた立花社長と、がっちり握手を交わした。

 星野監督は「左が欲しかった。やはり若さ。どれだけ伸びるか。良い体をしているしね。タイプは今中かな。今中は抜群だった」と、中日時代の教え子左腕になぞらえた。田中、辛島、釜田らとの若い先発ローテ形成を思い描く。左腕不足に悩むチームに、一気に楽しみが広がった。交渉はこれからだが「しっかり走ってこい!」と監督として最初の“指示”まで飛び出した。【古川真弥】