中日岩瀬仁紀投手(35)が11日、名古屋市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、4年連続日本人投手最高年俸となる現状維持の4億3000万円でサインした。今季後半に1カ月登板回避した理由の1つが、原因不明の右腕のしびれだったことを明かし、症状はほぼ収まったことを強調。最高年俸投手のプライドを胸に、前人未到の12年連続50試合登板、6年連続30セーブを目指す決意を示した。

 岩瀬はもはや、年俸を上げることを考えなくなっていた。年俸変動制4年契約1年目の今季は、自身のプロ野球記録を更新する11年連続50試合登板、5年連続30セーブを記録。41セーブでタイトルも奪回した。増額要求してもおかしくなかったが、現状維持の4億3000万円であっさりサイン。「もっと欲しい?

 そういうことは考えなくなってきている」。何度も修羅場をくぐってきた岩瀬ならではの無我の境地だった。

 岩瀬にとって大事なのは、金よりも体だ。今季終盤に1カ月登板回避した原因は、蓄積された疲労だけでなく、原因不明の右腕のしびれだったことを告白。「思い出したくないけどね。手が上がらなくなった。原因はわからいまま」。利き腕の左ではなかったが、神経系の故障だけに不安は大きかったという。そのためか、阪神赤星が今オフ「中心性脊髄(せきずい)損傷」のため33歳の若さで電撃引退したことも衝撃だった。「ボクも同じような感覚(しびれ)のときがあったからね」とかみしめた。

 故障はほぼ回復しているという。シーズン終了後、鳥取のジム「ワールドウィング」でトレーニングを積んだことが効果的だったようだ。現在は体を休めているが、年明けから再び同ジムに泊まり込み、再発防止に努める予定。「今はほとんど大丈夫。投げ始めてから故障が出ないようにしていかないといけないから」と説明した。

 来季の目標には前人未到の12年連続50試合登板と、6年連続30セーブを掲げた。いつ故障が再発するかもしれない恐怖は消えないが、絶対守護神としてのプライドも失っていない。「数字は意識していないけど、11年連続で50試合に登板しているし、30セーブを5年続けているので、そこはね」。細心の注意を払いつつ、マウンドですべてを出し切る。岩瀬は来季も鉄腕であり続ける。【村野

 森】