ボクシング界は、今年もWBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(36=ワタナベ)が年末の大トリを務める。11度目の防衛戦(31日、大田区総合体育館)となる今回は、同級7位フローレスを迎え撃つ。「11」と聞くと、いよいよ具志堅の持つ国内王者の連続防衛記録「13」が近づいてきた感がある。内山も「ここまできたからには、という思いはある」と記録更新への意欲を口にし始めた。

 内山はこれまでにも、多くの記録を塗り替えてきた。王座在位期間もその1つ。2010年1月の王座獲得から5年10カ月は歴代1位。2位は5年4カ月の勇利アルバチャコフで、内山をのぞく現役では、WBCバンタム級王者・山中の4年0カ月が最長と、大きくその差を広げている。

 年長防衛記録もトップだ。36歳1カ月で迎えるV11戦に勝利すれば、自身が持つ35歳5カ月の記録をさらに更新する。それ以前は、西岡利晃の35歳2カ月が最高で、現役では同門のWBAスーパーフライ級王者・河野が34歳10カ月で続いている。

 ほかにも、世界戦のKO率(5戦以上対象)も並み居る強打者を抑えて首位に立つ。ここまで11試合中9KOと、82%を記録。2位以降の山中64%、具志堅60%、渡辺二郎57・1%という数字を見ても、異次元の決定力といえる。

 連続防衛記録に話を戻すと、大きなけがさえなければ、来年も最低2試合は行うだろう。順調に防衛戦をクリアしていけば、来年末には記録に並び、17年春の新記録が期待される。具志堅の保持するもう1つの記録、世界王座連続KO防衛記録「6」は、内山も、山中も、長谷川もあと1歩で達成できなかった。30年以上も破られていない2つの大記録。指折り数えていくのも、ボクシングの楽しみ方の1つだ。【奥山将志】