「イ・ボミだね~」。意外な力士から、話題の女子プロゴルファーを支持する声が飛び出した。

 イ・ボミは、韓国出身の実力派美女ゴルファー。6月最終週のトーナメントで今季2勝目を挙げ、史上最速で年間獲得賞金1億円を超えた。少し照れたように笑う姿がかわいらしく、愛称は「スマイルキャンディー」。日本にもファンクラブができるほど、多くの人から好感を持たれているが、角界にも彼女のファンがいた。誰あろう、36歳のベテラン安美錦だ。

 安美錦とゴルフ…。一瞬、頭の中に「???」があふれた。両膝に“爆弾”を抱えている安美錦が、アップダウンの激しいコースをで歩く姿や、両膝に負担を掛けてスイングする姿が、思い浮かばなかったからだ。本人も「ゴルフは13、14年前までやってたけど、それから1度もやったことがない」という。それでも、相撲以外のスポーツで見るのは「ゴルフ」と言った。

 その理由は「気持ちの持ちようだね。あっ、今プレッシャー掛かってるな、とか。表情を見るんだよ」。相手ではなく「自分とコースとの戦い」と言われるゴルフは、スポーツの中でもメンタルの影響が大きい。優勝を争う厳しい状況で、トップ選手がどんな表情でプレーしているのか-。そこに興味を持ってゴルフ番組を見ているとは、さすがベテラン業師の着眼点は違う。

 相手の表情から心の内を読む。その鋭く冷静な観察眼が、立ち合いの瞬間的な動きで相手を惑わせる、巧みな相撲にもつながっているのだろう。【木村有三】