3階級王者の井岡一翔(27=井岡)が11回KOで3度目防衛を果たした。序盤から積極的に打って出る同級6位キービン・ララ(21)に対し、主導権を渡さず10回に最初のダウンを奪うと、11回に再びダウンを奪った。世界戦勝利数は長谷川穂積らに並ぶ日本歴代2位の12勝に。念願の統一戦へ弾みをつけた

 試合後のインタビューで井岡は「挑戦者のララ選手が思った以上にオーバーペースで、早い回から打ち合いになりましたけど、最後ああいう形(KO勝利)で終われて良かったです」と話した。 

 序盤は積極的に前に出て手数を出す挑戦者ララを井岡が冷静にさばく展開となった。中盤以降、的確なボディーブローを起点に井岡が攻勢を強め主導権を握った。終盤、手数が衰えないララと打ち合いになったが、10回2分30秒過ぎ、顔面への連打から最後は右フックで井岡がダウンを奪った。11回に再びダウンを奪うとララは立てず。1分11秒、KO勝利を決めると、コーナーに駆け上り喜びを表した。

 WBAは正規王者の井岡と、同級スーパー王者エストラーダ(メキシコ)に対し王座統一戦を指令している。。陣営も、大みそか予定の次戦は統一戦を最優先に考える。WBO王者でもあるエストラーダが受諾しやすいよう、WBAスーパー王座のみを懸ける条件でも受け入れるつもり。万が一、対戦が実現しなかった場合、井岡の父一法会長は、IBF同級王者カシメロ(フィリピン)との2団体統一戦も選択肢に入れている。

 「夢に向かって、統一戦に向かってやっているのでこういう形で終われて良かった。(統一戦を)期待していてください」と井岡。戦績は21戦20勝(12KO)1敗となった。