粟田祐之(25=KG大和)は逆転勝ちで、敢闘賞も手にした。

 上田隆司(23=奈良)に1回に相打ちもダウンを喫して劣勢になった。さらに4回には左まゆをカットした。「判定なら負け。行くしかない」と最終5回に攻勢に出る。連打を浴びせて、相手をロープの間からリング外に吹っ飛ばした。「勝ったと思って興奮した」と大喜びも、相手がすぐにリングに戻って試合続行となった。その後は決定打を奪えずに、判定にもつれ込むと辛くも2-0の勝利だった。

 相手がリング外に飛び出すと「もう来ないでほしかったのに。すげえなあと思った」と笑った。小1から麻布大付までGKとしてサッカー漬けだった。サッカーをあきらめて退屈しているところで、自宅近くにあるジムの選手に誘われてボクシングを始めた。週末はサッカースクールコーチも務め、約150人の応援団が駆けつけた。「子供たちと勝利の約束を果たせた」と笑み。「目標に向かって1歩1歩努力する姿を見せたい。今は力がないが、絶対に日本王者になってみせる」と言い切った。