大相撲の元貴ノ富士ことスダリオ剛(25=HI ROLLERS ENTERTAINMENT/PUREBRED)が、K-1世界トーナメント制覇のマーク・ハントを師匠に持つジュニア・タファ(26=オーストラリア)を前に何もできなかった。ヘビー級ワンマッチ(120キロ、5分3回)で対戦。昨年はケガの影響で出場できなかった大みそかの大舞台で悔しさの発散を狙ったが、1回TKOでまさかの完敗だった。

日本人ヘビー級の宝がマットに沈んだ。お互いけん制しながらの立ち上がりだったが、いきなりタファの強烈な打撃が顔面を襲った。初めてのダウン。その後も逃げ回って態勢の立て直しを図ったが、強烈なパンチを次々と打ち込まれた。最後はコーナーで崩れ落ちたところにパウンドを浴びせられ、TKO負けとなった。

過去最高レベルの仕上がりだった。「調整がうまくいき過ぎているくらい。闘争本能がむき出さしになっている」。前日計量では、差し出された相手の右手に応じず、臨戦態勢だった。今年7月の関根戦で左膝のケガから復帰。10月には海外の強豪チューカスと対戦し2回TKOで3連勝とした。だが、この時は3日前から高熱にうなされ、当日は回復したものの体力は消耗していた。「家族の支えを感じました」と、妻のサポートのありがたさが身に染みた。

春には、第1子となる赤ちゃんが誕生する予定。「父親として実感がある。本当に負けたくない。強いお父さんでありたい」と話していたが、勝利とはいかなかった。だが、ここから這い上がる。世界の強敵に触れたスダリオは、また強くなる。

【RIZIN】扇久保博正VS堀口恭司 米格闘技団体ベラトールと対抗戦/ライブ速報中