<プロボクシング:WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦>◇8日◇東京・両国国技館

 同級10位三浦隆司(28=帝拳)が9回KOで王者ガマリエル・ディアス(32=メキシコ)を破り、11年1月に内山高志に敗れて以来、2度目の挑戦で世界王者のベルトを奪取した。ディアスは昨年10月、粟生隆寛を破って王者となったが、同じジムの同僚として雪辱を果たした。三浦は25勝(19KO)2敗2分け、ディアスは37勝(17KO)10敗2分けとなった。

 三浦は序盤から強烈な左をボディーに集めて攻勢に立った。3回にはカウンターの左ストレートで最初のダウンを奪った。その後も攻め続け、6回にも左で2度目、7回にはサウスポースタイルにスイッチした王者を責めて右フックで3度目のダウンを奪った。9回はオーソドックスに戻った王者に対し、狙い澄ました左ストレートをクリーンヒット。レフェリーはカウントを取ることなく試合を止めた。

 今年1月に父・政志さんを交通事故で失った。試合後は子どものころから応援し続けくれた天国の父に「オヤジ、やったよ」と勝利を捧げた。<入場>三浦は葛西トレーナーに付き添われて入場。冷静な表情で落ち着いてリングイン。リングに上がると右手を挙げる。王者ディアスは軽快なメキシコ音楽に乗って入場。サングラスをかけ、陣営が大きな声で気合を付ける中、軽快なステップで入場。<1回>王者ディアスは右ボディー狙いで攻める。三浦も左ボディーを返す。その後はお互いに相手のパンチをみきって空振りさせる展開。終盤にバッティングで王者が左まゆ尻カット。WBCルールで無傷の三浦が1ポイント減点される。<2回>三浦は積極的に前に出てパンチを出す。左ボディーからの攻撃で相手をコーナーに押し込んで左ストレートを当てるなど攻勢に立つ。<3回>三浦が左の強打で攻める。左ボディーからワンツーなどで押し込み、相手を後ずさりさせるなど押し込む。残り30秒でからはカウンターの左で王者からダウンを奪った。KOは逃したが完全に優勢に立った。<4回>攻める三浦に対し、王者はクリンチなど老かいなテクニックで防御。中盤からは右を出し、ペースを取り戻しはじめた。終了後のジャッジ採点の途中経過は3者とも37-37のイーブン。<5回>三浦が左ストレートで攻める。右目の下を腫らせていた王者は新たに右目尻をカット。ラウンド途中でチェックが入るがそのまま試合続行。王者の傷は三浦の打撃によるもの。<6回>三浦は序盤に左ストレートで2度目のダウンを奪う。その後もロープ際に追い詰めて連打を浴びせるが倒すまでには至らなかった。王者の右目尻の傷が大きくなり、再びチェックが入るが試合は再開された。<7回>王者は右目尻を三浦の左から守るようにサウスポースタイルにスイッチ。三浦は止まることなく攻める。終盤には左ストレートからの右フックで3度目のダウンを奪った。<8回>三浦は右のリードパンチを巧みに使う王者を攻めきれないが、右ボディー、右フックなどで追い込む。ラウンド後の採点ではジャッジ3者とも大差で三浦を支持。<9回>オーソドックススタイルに戻して勝負をかけた王者に対し、三浦も攻勢を弱めず。右を見せながら踏み込んで放った左ストレートをクリーンヒットさせると、王者はコーナー下に倒れたまま動けなくなり、KOでの世界奪取となった。<表彰>ベルトを肩からかけて認定証を受け取った三浦の目は涙で潤んだ。目の回りにわずかに赤くなったところはあるが、ほぼ無傷の顔が快勝を証明していた。「うれしいとしか言いようがない。チャンスをくれた本田会長と帝拳ジムのスタッフ、応援してくれた人に感謝したい。このベルトをオヤジに見せたかったけど1月に亡くなってしまって。でも後押ししてくれたと思う。オヤジやったよ」と、力を出し切った満足感があふれる落ち着いた表情で話した。