<プロボクシング:日本フェザー級タイトルマッチ10回戦>◇21日◇東京・後楽園ホール

 王者松田直樹(32=帝拳)が、挑戦者で同級1位の梅津宏治(32=ワタナベ)と引き分け、初防衛に成功した。梅津の堅いガードに苦しみ、ペースを握れず、終盤には打ち合ったが採点は三者三様のドロー。戦績は松田が29勝(12KO)8敗4分け1無効試合、梅津は15勝(6KO)8敗2分けとなった。

 松田にとって、ほろ苦い初防衛だった。5回までに左右のフックを軸に攻勢に出て、着実にポイントを稼いだ。接近戦を想定し、打ち合う練習も重ねてきたが、後半は防御を固めて前に出る相手に反撃を許した。「ガードが亀のようだった。やはり自分のボクシングをしないとダメですね」。まるで敗者のように反省点を口にする王者は、田中トレーナーに「胸を張れよチャンピオン!」となぐさめられていた。