WBA世界スーパーフライ級王者名城信男(28=六島)が、KOでの完全勝利を誓った。8日に行われる3度目の防衛戦(大阪府立体育会館)の予備検診と調印式が6日、大阪市内で行われた。同級1位カサレス(メキシコ)と7カ月ぶりに再会した王者は会見で「前回はドロー。今回は分かりやすい形で、KOで決着をつけたい」と先制のジャブを見舞った。

 挑戦者は会見中に4度もあくびするなど覇気がなかった。前WBCバンタム級王者長谷川穂積を下したモンティエルとともに4月19日に来日。当初練習していた東京から大阪への新幹線は、大型連休中のため自由席の喫煙車だった。減量に加えて、2週間以上におよぶ日本での生活に疲れた様子で、前回とはまるで別人のよう。枝川会長も「この前より元気がない」と話した。

 長谷川からは名城陣営の藤原トレーナーに「カサレスは東京でも覇気がなかった」とメールも届いた。予備検診ではカサレスの胸囲は前回より5センチもマイナスだった。「そりゃ2週間も外国にいたら疲れるでしょう。前よりやせて見えたし」と名城。自信は確かに深まった。【大池和幸】