<プロボクシング:WBA世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦>◇24日◇東京・後楽園ホール

 WBA世界ミニマム級4位の八重樫東(28=大橋)が、同級王者ポンサワン・ポープラムック(33=タイ)を、スピードと連打で序盤から圧倒。5回以降は足を止めて真っ向打ち合いを挑み、10回2分38秒、右強打と連打を浴びせてレフェリーストップ勝ちした。

 元WBA、WBC世界ミニマム級王者の大橋秀行会長(46)が、元世界王者として初めて2人の世界王者を育てた。WBC世界スーパーフライ級王者川嶋勝重に続き、八重樫がWBA世界ミニマム級王座を奪取した。元WBA世界フライ級王者の花形進会長がWBAミニマム級王者星野敬太郎を、元WBC世界ミニマム級王者井岡弘樹会長がおいの一翔をWBC世界同級王者に育てているが、2人の世界王者育成は初。「八重樫の王座は自分が保持した同じ階級の王座。感無量」と目を充血させた。

 8回に八重樫が右カウンターでダウン寸前まで追い込まれた。9回に入る前、セコンドの大橋会長は八重樫の息子の名を出し「圭太郎のために行け!」と激励した。八重樫は「心が折れそうな時だったので目覚めました」。同会長は、WBC世界スーパーフライ級王者徳山昌守に川嶋が初挑戦した時、敗れた川嶋の1発目のパンチがほとんどヒットしていたことを見抜き、再挑戦前に「1発で仕留めるパンチを身につけろ」と提案。ハンマーを振り下ろす練習で背筋などを鍛えてパンチ力を強化し、川嶋は徳山を右強打1発でダウンを奪って王座を奪取した。「ここぞ」で戦況を見極める大橋会長の眼力は抜群だ。

 12月には同じく弟子の日本フェザー級王者・細野悟(27)の2度目の世界挑戦も予定。WBA同級王者カバジェロ(パナマ)をターゲットに交渉中だ。同会長は「年内に3人目、来年に4人目の世界王者を」と宣言していた。【藤中栄二】