愛菜ちゃん、勝負だ!

 ボクシングWBC世界ミニマム級王者の井岡一翔(22=井岡)が26日、大阪市内の所属ジムで大みそかの2度目の防衛戦(大阪府立体育会館)に向けた練習を公開した。試合はTBS系列で生中継。開始ゴングは午後7時半すぎで、裏番組のNHK紅白歌合戦の芦田愛菜(7)鈴木福(7)コンビとの“激突”が予想される。勝利を誓った井岡は「多くの人に見てもらいたい」と高視聴率獲得にも意欲を燃やした。

 井岡が軽やかな動きを披露した。ジム同僚の東洋太平洋ライトフライ級王者宮崎亮との軽めのスパーリング。試合まで1週間を切り、減量は最後の追い込み中にもかかわらず、足さばきもスムーズだった。「順調。ここまで問題なくきている」との言葉を裏付ける内容。体重もリミットまで約1キロを切った。

 注目の大みそか決戦。ゴールデンタイムで全国生中継されるだけに、茶の間にアピールする絶好の機会だ。井岡は「幅広いボクシングをして、競技の面白さを伝えたい」。紅白歌合戦への意識は「もちろんある」と胸の内を明かした。

 前日25日にはNHKが紅白の曲順を発表した。愛菜&福の「マルモリコンビ」は6番目に登場する。2人は労働基準法により午後8時までの出演となるため、ちょうど井岡の試合と時間帯が重なる可能性が高い。高視聴率獲得には打倒・愛菜ちゃんが1つのキーワードとなりそうだ。

 「視聴率は高い方がいい。試合内容は分からないけど、全力を尽くすだけ」。年明けの正月2日には、自身がクローズアップされたTBS系「情熱大陸」のオンエアも決まった。「ずっと見てたし、出たかった」。これもモチベーションが高まる要因になりそうだ。

 「試合を組み立てていけばKOできる。負ける要素はない」。スパーリング後には挑戦者の同級10位ヨードグン・トーチャルンチャイ(21=タイ)の公開練習をじっくり観察。「イメージ通り。右ストレートが強そう。僕には当たらないけど」と強気な言葉を並べた。念願の世界王座を獲得した記念すべき1年を、最高の形で締めくくる。【大池和幸】