WBA世界スーパーフライ級4位の亀田大毅(23=亀田)が、9月1日に開催される同級タイトルマッチの勝者に“挑戦状”をたたきつけることが30日、分かった。大毅はこの日、都内の所属ジムで練習後、同級王者テーパリット・ゴーキャットジム(23=タイ)-名城信男(30=六島)戦を直接視察するため大阪へ移動。同世界戦終了直後、勝者陣営に対戦を打診する方針を固めた。WBA世界フライ級王座に続く2階級制覇へ、年内の挑戦を想定してスピード交渉に入る。

 大毅が、電光石火の動きに出る。昨年12月、王者テーパリットに判定負けして2階級制覇に失敗して以降、ノンタイトル戦を重ねながら再挑戦の機会をうかがっていた。世界前哨戦として臨んだ19日のマイク・タワッチャイ戦(香川)で大差判定勝ちしたことで、大毅は「やるなら今しかない」と次期挑戦者として名乗りを上げる覚悟を決めた。

 9月1日の世界戦で現王者が勝てばリベンジの機会となり、名城が新王者になれば日本人同士による世界戦となる。大毅は「どちらが勝っても、俺が挑戦するべきストーリーがある。会場で生観戦してイメージを膨らませたい」という。試合に足を運んで自ら両陣営へ対戦の意思を示すと同時に、既に「即オファー」の方針を固めている亀田陣営も、11月~12月に開催予定の亀田祭りでの実現を想定して交渉に入る。

 大毅は打倒テーパリットへ、年明けから脚力を生かすスタイルを意識し、ボディーブローを強化してきた。今年のノンタイトル戦で3勝のうち、2戦でKO勝ち。「この階級での体づくりやコンディションが仕上がりつつある」からこそ、再挑戦へ時間を空けたくない。さらに、「減量を意識して練習を制限するのではなく、これからは適正体重で勝負をしたい」と来年中のバンタム級転向も視野に入れている。

 「テーパリットはリーチの長さを生かしたジャブを打ってくるけれど、名城選手のボディーブローは効くはず。(王座を)ひっくり返す可能性は十分ある」という大毅。自身の姿をリング上に重ねながら、2階級制覇への一手を打つ。【山下健二郎】