WBA世界フライ級1位亀田興毅(22=亀田)が、WBC同級王者内藤大助(34=宮田)へ、自身の世界前哨戦を研究するようにと挑発した。25日に内藤との世界戦合意を発表した興毅は27日、9月5日に東京・ディファ有明で行うウンベルト・プール(34=メキシコ)との10回戦(51・5キロ契約)向けて都内の亀田ジムで練習を公開。王者内藤に対し「特等席に招待したろか。よーく研究したらええ」と、久々に亀田節をさく裂させた。

 約3年ぶりの世界戦決定が、よほどうれしかったのだろう。興毅はウオーミングアップをしながら口を開いた。「世界戦、決まったな。ビッグマウスもそろそろ復活させんとな。今までは言ったところで『(世界戦)せえへんのちゃうんか』とか言われたからな」と、亀田節解禁を宣言し、こう続けた。

 興毅

 9月5日に特等席に招待したろか、チャンピオンさん。もうやるのは決まったんやからな。チャンピオンになって稼いでるんやから、地デジ対応のテレビとかブルーレイとか持ってるんとちゃうん?

 地デジでちゃんと録画しなさい。おれの毛穴まで見えるで。よーく研究したらええねん。

 研究させるために内藤を前哨戦に招待するプランを口にすると、練習後には2万円のリングサイド席のチケットを手にした。「試合を見て研究して、万全で来てもらわんとな。ベストコンディションで、おれが粉砕する。2階級制覇は年内にできるな」。11月29日の両国国技館が有力とされる世紀の一戦に向けて、舌戦の火ぶたを切った。

 視線は内藤をとらえるが、プール戦の準備にも抜かりはない。体重はリミットまで残り約3・5キロで「初めてこの時期に(汗を出すための)カッパを着てない。コンディションいいよ」と順調のようだ。次男大毅と内藤との因縁の一戦から、2年になろうとしている。「世界戦の前に、いい試合をせんと話にならんね。まあ、じっくり見物でもしといてもらおうかな」。弟の敵討ちに燃える興毅が、亀田節全開で早くも「らしさ」を取り戻した。【浜本卓也】