シュルトが夢の2冠へ総合格闘技復帰宣言※画像クリックで拡大表示

 史上初めてK-1WGPで3連覇を果たした王者セーム・シュルト(34=オランダ)が9日、都内で会見し、08年の総合格闘技復帰を宣言した。ヒョードル、ハリトーノフらロシアトップファイターとの再戦を希望し、K-1を主催するFEGの谷川貞治イベントプロデューサー(46)もサポートを約束。現役のK-1ヘビー級王者として、初の総合タイトル獲得という「夢の2冠」を目指す。

 強さを求める胃袋はどこまでもどん欲だ。シュルトは偉業から半日後に、もう新しい挑戦を掲げた。「K-1王者のまま総合のタイトルに挑戦するのは面白いことだと思う」。

 ふだんは無難なコメントに終始する男が、珍しく大胆発言を続けた。「ちゃんと準備させてくれれば、ヒョードルともハリトーノフともやりたい」。思い付きではない。ヒョードル、ハリトーノフには、いずれもPRIDEのリングで敗れた。体で苦難を知っているが、今は戦いの本能が突き抜ける。

 もともとが空手、総合格闘技の選手だ。「具体的にはタックルの切り方と、グラウンドの動き方をもっと磨きたい」と課題も認識している。谷川EPは「我々は格闘界の大連立をしたい。PRIDEのような総合ヘビー級トーナメントができれば…」と言った。

 もはやK-1では敵なしだ。年末Dynamite!!の対戦相手選びは、強すぎて進まない。この日は、シュルトの人間離れした強さゆえの究極エピソードが飛び出した。

 11月に母国オランダ・ロッテルダムの動物園で、人気者の雄のゴリラ「ボッキート」(雄、11歳)が逃げ出した。4メートルのフェンスを飛び越え、女性客の手首を骨折させ、社会に大きな衝撃を与えた。それを引き合いに「そのゴリラと戦うしかないのかな」と言ったのだ。ゴリラ級の強さは新しいフィールドを求めている。【井上真】[2007年12月10日8時33分

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