6戦全勝同士で争われた三段目の優勝を決める一番は、西16枚目の朝興貴(25=高砂、本名・久保田祐貴)が、東78枚目の彩翁(27=錦戸)を突き出しで破り、2度目の各段優勝(12年九州場所=序二段)を果たした。

 小気味のいい突っ張りで快勝。今場所を振り返る言葉も「しっかり手が伸びていたのが良かった」と話すように、自分の相撲を「めっちゃ緊張した」という土俵でも示した。

 最高位は、14年九州場所の西幕下34枚目。それ以降は幕下下位と、三段目上位を上下動する繰り返し。その間に、朝弁慶が新十両昇進を果たし、今年に入り近大出身の玉木、石橋が入門。刺激をたっぷり受けて、師匠の高砂親方(60=元大関朝潮)も「大学生人に鍛えられたからな」と笑みを浮かべた。

 その師匠からは、朝弁慶が関取になった時に「次はお前だ」と期待をかけられた。「自分のことも見てくれている。うれしかった」と発奮材料にした。自己最高位の更新が濃厚な来場所以降に向けて「突っ張りでバンバン出る相撲を取りたい。とりあえずは幕下上位で勝ち越しを目指します」と肩で大きく息をしながら笑みを浮かべた。