元横綱千代の富士の九重親方の死去は、角界関係者に大きな衝撃を与えた。

 名古屋場所で8度目の優勝を果たした横綱日馬富士(32=伊勢ケ浜)は31日、巡業中に訃報に触れ「言葉が出ない。何て言えばいいか…。鳥肌が立っています」とつぶやいた。

 千代の富士は横綱として軽量の体重125キロ程度で優勝を重ねた。似たような体格として、日馬富士は手本にしていた。

 「大好きな大好きな方。あの方の相撲を見て勇気をもらっていた。小さい体でもこういう相撲を取ればいいんだと強い気持ちにさせてくれた。よくかわいがってもらいました」

 九重親方の還暦土俵入りは、白鵬が太刀持ち、日馬富士は露払いを務めた。日馬富士はあの場面が思い出に残っているという。「今も車の中で、千代の富士関のDVDを見ています」と、訃報が信じられない様子だった。