東前頭10枚目の貴ノ岩(26=貴乃花)が、稀勢の里の初優勝をサポートする大金星を挙げた。

 2敗だった横綱白鵬(31=宮城野)を寄り切りで破った。立ち合いから右を差すと、低い体勢を保ちながら土俵際へと追い詰め、最後は左上手も引いて完勝した。

 同じモンゴル出身で「強くて、カッコイイ」存在だった横綱の優勝の可能性を消滅させる初金星に、何度も「うれしいです」と繰り返した。「胸を借りるつもりで行った。それが良かった。あまり、変な硬さもなかった」と振り返った。

 実は、前日13日目の高安戦で左膝裏を痛めていた。「朝は、歩くのもどうかと思った」という状態だった。だが、痛み止め薬を飲んでこらえ、殊勲の勝利につなげた。