苦節15年、大関稀勢の里(30=田子ノ浦)が涙の初優勝を果たした。平幕逸ノ城を寄り切って1敗を死守。結びの一番でただ1人2敗だった横綱白鵬が平幕貴ノ岩に敗れて決まった。

 稀勢の里の両親は茨城・牛久市内の自宅で初優勝を見届けた。父の萩原貞彦さん(71)は白鵬が貴ノ岩に敗れた瞬間、「先代の親方の薫陶を受けたからこそ。その感謝が真っ先に頭に浮かびました。それは本人も同じだと思う」と、11年11月に亡くなった鳴戸親方(元横綱隆の里)に感謝した。横綱昇進に関しては「横綱になったら、自分だけでなく日本のために相撲をとることになる。伝統、文化も継承しなくてはいけない。大関のほうが気楽かなと思うところもある。責任も違うが、それでも一番上に立つことはうれしい」と話した。千秋楽は両国国技館で声援を送る予定だ。