19日に投票が始まった第7回AKB48選抜総選挙(来月6日開票)の速報結果が20日、発表されて、一昨年の1位HKT48指原莉乃(22)が、2位のAKB48/NGT48柏木由紀(23)に4725票差をつけて首位に立った。昨年はまさかの2位も、初めてグループの地元、福岡で開票イベント(ヤフオクドーム)が行われる今回、雪辱に向け、上々のスタートを切った。

 2位で柏木が呼ばれると、速報ボードの横で見守る高橋みなみ総監督(24)が「あいつ、強すぎだろ~」と大声でぼやき、観客も大爆笑した。昨年に自らが記録した3万7582票を569票上回る、歴代速報新記録の3万8151票。投票期間はわずか1日。高橋が「指原さん、強すぎるだろう。誰がどんな速度で入れているんだろう…」と何度もあきれるほどに強かった。

 ただ、指原にとって、今回の総選挙は辞退を考えるほどに複雑だった。一昨年に強敵大島優子(26)を破って初めて栄冠をつかむと、センター曲「恋するフォーチュンクッキー」は大ブームに。機転の良さとトークのうまさもあり、人気はますます上昇。その反動で昨年の総選挙では、強すぎる悪役に祭り上げられ、人知れず傷ついていた。最終結果も渡辺麻にまさかの大逆転負け。さらに今年は開催地がHKT48の地元福岡と決まり、「地元の指原が有利」と騒がれると「もう出たくない」と、3月29日の立候補受け付け最終日まで悩んだほどだった。

 ただ、自分が48グループをアイドルの枠を超えた存在になるカギを握ると自覚している。最後は、称賛も批判も全てのみ込む覚悟で「この1年間は一番働いた思いはある。今年はてっぺん取りに行きます!」と腰を上げた。

 発表時は、都内の仕事先で中継を見守った。ツイッターで「みなさんありがとうございます!!! でも去年のことがあるので、うれしさを隠して、不安と戦いまくります!」とコメントした。昨年の速報は2位の渡辺麻に1万2299票差もつけながら、追い抜かれた。悪夢がよぎりながらも、まずは感謝した。ただ、つぶやきを検索しやすくするためのツイッター機能のハッシュタグでは「口元ゆるみまくり」「説得力ない」と書き添えるなど、ファンを笑わせるサービス精神も忘れなかった。

 もう2度と足をすくわれない。乙女心とエンターテイナーのはざまで葛藤し続けるのは、残り16日。このまま走り抜け、故郷九州に錦を飾ってみせる。【瀬津真也】

 ◆指原莉乃(さしはら・りの)1992年(平4)11月21日、大分県生まれ。07年10月、AKB48の5期生で合格。11年に「Not yet」でユニットデビュー、12年「それでも好きだよ」でソロデビュー。12年6月にHKT48移籍し、13年4月からHKT48劇場支配人兼任。総選挙は第1回から27→19→9→4→1→2位。愛称「さしこ」「さっしー」。血液型O。

 ◆第7回AKB48選抜総選挙 AKB48の41枚目のシングルの選抜メンバー(16位以内)などを決めるファン投票で、投票期間は19日~来月5日午後3時。17~32位はアンダーガールズ、33~48位はネクストガールズ、49~64位はフューチャーガールズ、65~80位はアップカミングガールズとして、カップリング曲を歌うメンバーに選ばれる。今年は272人が立候補。開票は6月6日、福岡・ヤフオクドームで行われる。