新潟を本拠地にするNGT48が、地元での総選挙で新たなスタートを切った。昨年8月にお披露目された1期生にとっては初参加の総選挙で、速報圏外だったエース加藤美南(17)が1万3571票を集め、76位にランクインした。グループにとって念願だった今秋以降のCDデビューも決定。5位の柏木由紀(24)、12位の北原里英(24)も“地元愛”を語るなど、全国に向けて本格的に羽ばたく土台を築いた。

 エース加藤が、NGT48メンバーの思いも背負ってステージ上で舞った。サンダルを脱ぐと、勢いよく前転→前宙と2回転。「ランクインしたら、今まで見せたことのない技を決めます」との事前の宣言通り、特技のアクロバットを決めて大歓声を浴びた。

 昨年7月、最終オーディション後の写真撮影で真ん中に立った。その時から「グループを引っ張る」と決意を固めたほどのしっかり者で、お披露目からセンターを務めてきた。ボーダーラインも年々上昇し、総選挙初参加でランクインするのは至難の業。昨年福岡で行われた総選挙で1位のHKT48指原莉乃からも「地元だから有利とは限らないし、1人で気負わないでいいんだよ」とアドバイスを受けていたが、「でもやっぱり地元だし、絶対ランクインしたくて…」と重圧を感じていた。76位で名前を呼ばれ「本当にうれしいです」と声を裏返らせて喜んだ。

 グループにとっても、新たなスタートを切る記念日になった。開票前コンサートで、今秋から年明けにかけてレーベル「アリオラジャパン」からCDデビューすることが決まった。すでにAKB48でデビューしているキャプテン北原里英、柏木由紀が涙を流すほど、グループにとっても念願だった。人口約80万人の地方都市で、地域活性化も含めて挑戦を続ける。この日も、自治体や地元企業が中心となって会場の周りには名産品のブースが立ち並ぶなど、イベントを盛り上げた。その地元熱に、アリオラ関係者も早くから熱視線を送っていた。加藤は「ここから、全国に羽ばたいていきたいです」と誓った。NGT48の挑戦は、ここから始まる。【大友陽平】