2月いっぱいでSKE48を卒業する矢方美紀(24)が26日、名古屋のSKE48劇場で卒業公演に出演した。

 竹内舞(23)ら、序盤から涙を流すメンバーを見ると、まさかの爆笑。最後までムードメーカーとしての役割をまっとうした。

 デビュー当初は、握手会でファン0人という絶望を味わったが、それをバネにSKE48の選抜メンバーにまでのし上がった。総選挙で2度のランクインを果たし、チームSのリーダーを務めた。そんな人望厚い矢方の最後のステージとあって、大勢のゲストがお別れに訪れた。アンコールでは、かつてSKE48を兼任していたHKT48田中菜津美(16)がサプライズ登場し、矢方、後藤理沙子(19)と「Bird」を披露。続く「バンジー宣言」では、同期の3期生から須田亜香里(25)松村香織(27)、チームK2時代のチームメート高柳明音(25)石田安奈(20)も現れ、矢方と最後の共演を果たした。松井珠理奈(19)、AKB48に移籍した同期の木崎ゆりあ(21)も仕事を終えて駆けつけた。現役の同期が全員、顔をそろえ、矢方は「3期で良かった」とつぶやいた。

 矢方に別れの手紙を読んだのは、デビュー当時から同じチームだった後藤だった。「美紀ちゃんは私にないものをみんな持っていて、うらやましくて、大好きで、『将来、結婚したい』とか、『みきてぃのムニエルが食べたい』とか、訳のわからないことを言っていた時代もありましたね」と告白。矢方も「あったねぇ…あったねぇ…」と、うれしそうに相づちを打っていた。

 キャッチフレーズの「ひー(1)、ふー(2)、みきてぃ」にちなんで、123本のバラの花束を贈られると、矢方は最後のスピーチに臨んだ。デビュー当初、先輩から優しくされたことが忘れられない思い出で、「先輩が優しく声をかけてくれたり、昇格したときも温かくチームに迎え入れてくれた。垣根を越えて過ごせたのは、SKEが心から温かいメンバーたちだったからです。ここまで頑張って来られたのも、先輩の背中を見てきたから。(最後に)先輩、同期とできたのはいい思い出です」と涙ながらにSKE愛を語った。最後の曲には、初めてチーム曲のセンターを務めた「彼女がいる」を選んだ。

 いったんは芸能界引退も考えたが、翻意した。「これからも芸能界を続けると決めたので、何かあるときは、皆さんと楽しいことをしたいなと思っています」と、ファンとの再会を誓った。

 矢方の卒業にともない、後任のリーダーを北川綾巴(りょうは、18)、副リーダーを犬塚あさな(22)が務めることが、それぞれ発表された。北川が「こんな頼りないリーダーはいなんじゃないですか…?」と泣きながら声を震わせると、矢方は「私もチームSのメンバーに支えられたから、綾巴も大丈夫」と、優しく激励の言葉をかけていた。