AKB48グループが「ドラフト会議」を実施することが8日、分かった。この日、京セラドーム大阪で行われたAKB48グループの公演で発表された。11月10日に東京・グランドプリンスホテル新高輪で「AKB48グループドラフト会議」と銘打ったイベントを行う。当日は、各グループのキャプテンが、一般応募のオーディションを通過した女性たちを順次指名していく。競合した場合は、くじ引き抽選も行う。AKB48グループの新たな名物イベントとなるか。

 アンコールで新曲「恋するフォーチュンクッキー」が披露された後、巨大モニターに映像が流れた。「AKB48グループドラフト会議」の開催がサプライズ発表された。3万人で埋まったドームが沸いた。

 AKB48メンバーになるための新しい扉だ。現行の研究生オーディションでは各グループごとに応募を受け付けているが、今回は4グループ全体で「ドラフト会議候補者オーディション」(近く願書受け付け開始)を行い、ドラフトにかけられる候補者を選ぶ。ただどのグループに指名されるか分からないため、希望するグループやチームに加入できるかは分からない。

 従来の研究生オーディションは関係者らが審査するのに対し、ドラフト会議はAKB48チームKの大島優子(24)ら全10チームのキャプテンが各グループ支配人らと協議し、新メンバー候補を指名する。指名に向けた情報戦が水面下で展開するかもしれない。複数の指名が重なった場合、くじ引きで契約交渉権を争う。まさにプロ野球のドラフト会議さながらの演出だ。希望する応募者を指名したチームは、状況に応じて、契約交渉を進めるが、本人に拒否される可能性もある。

 ドラフト会議実施のきっかけは、今月上旬に行われたAKB48グループ全体のキャプテン会議。キャプテンたちから「トーク力のあるメンバーがほしい」「もっとダンススキルの高い子がいれば」と補強を望む声が上がった。各チームに必要な「戦力獲得」のため、新たな試みとしてドラフト会議プランが浮上した。

 グループの活性化も期待されている。あくまでグループに所属するという立場だが、成長次第では早い段階で公演デビューを飾る可能性もある。

 現行の研究生オーディションも引き続き行われるものの、05年から約8年間変わらぬ採用方法をとってきたAKB48にとって新たな挑戦となる。戸賀崎智信グループ総支配人は「反響によっては、総選挙やじゃんけん大会のような恒例行事になることも考えています」。キャプテン同士のくじ引き対決が、新たな秋の風物詩になるかも知れない。【横山慧】

 ◆プロ野球ドラフト会議(新人選手選択会議)

 戦力の均衡を狙い、65年に第1回が開催。毎年秋、12球団の監督ら首脳陣、球団幹部らが集まり、過去に日本プロ球団に在籍したことがないなどの資格を持つ有望選手を順次指名。重複の場合はクジで抽選となる。東京・新高輪プリンスホテル(現在はグランドプリンスホテル新高輪)が会場として使われている。