時代劇映画史上最長の殺陣シーンが、復活する。63年公開の映画「十三人の刺客」(工藤栄一監督)が47年ぶりにリメークされることになり、同名のタイトル(三池崇史監督)で来年の公開が決まった。すでに今月5日に山形県内でクランクインしており、このほど撮影現場が公開された。江戸末期、暴君ぶりを発揮する藩主を暗殺するため、13人の家臣らが決死の作戦に出るというストーリー。主演の役所広司や山田孝之、松方弘樹ら豪華キャストが勢ぞろいし、映画史に残る大乱闘のクライマックスを再現する。

 ロケ地の庄内映画村では、約2億円かけて宿場町を再現。13人が集合し、襲撃準備を進めるシーンを公開した。役所は「オリジナルを見てました。チャンバラとか殺陣とか、熱気が伝わる映画でした」と振り返った。02年「SABU~さぶ~」以来の時代劇映画に挑む三池監督は「昔の映画は楽しそう。昔のような『祭』をしたい、というのが目的。そのためにリメークを利用したい」と話した。

 「祭」を象徴するシーンが、終盤の大チャンバラだ。オリジナルでは、13人対53騎の人馬による殺陣が、約30分続いた。新作では、敵の規模を200騎にパワーアップ。劣勢の13人が切り込んでいく。役所は「人を切ったことがない人の戦い。それを迫力にしていきたい」と意欲的。実際に、どれだけの時間をこの場面に割かれるかは決まっていないが、三池監督は「観客も少し疲れるくらいの長さが必要だろうと思います」と長時間バトルを見据えている。最新技術も取り入れた21世紀型の殺陣が、時代劇映画の新たな歴史を刻みそうだ。