「トランスフォーマー」シリーズなどで知られるシャイア・ラブーフが先週、テキサス州オースティンの繁華街で泥酔して逮捕されたことが明らかになりましたが、ハリウッドでは昔から飲酒にまつわるトラブルが後を絶ちません。人気スターでありながら、アルコール依存症に陥ったり、逮捕されたりと、酒にのまれたスターたちは沢山います。そんなスターたちの飲酒にまつわる失態をまとめてお伝えします。

 ラブーフはバーで泥酔状態だったことから入店を断られ、その後、信号無視で歩行中に公然泥酔の罪で逮捕されたとのことですが、過去にも度々飲酒トラブルを起こしています。昨年はニューヨークでミュージカルを鑑賞中にわいせつな言葉で野次を飛ばし、警察官につばを吐いたりして逮捕されていますが、飲酒が原因だったことからアルコール依存症の治療を命じられたといわれています。他にも08年には赤信号を無視した車と衝突する事故に巻き込まれた際にも飲酒運転が発覚して逮捕。その前年は泥酔状態でシカゴのドラッグストアに入店して退去を命じられたがそれを拒んだために店側とトラブルになったこともあり、飲酒にまつわるトラブルの常連としてハリウッドでは知られています。

 飲酒トラブルでハリウッドを干されたのはラブーフだけではありません。メル・ギブソンは06年にスピード違反と飲酒運転で逮捕された際に、警察官に対して人種差別的な暴言を吐いて物議を醸しました。10代から飲酒をしていたというギブソンは1984年にも飲酒運転で逮捕されるなど過去にも度々飲酒でトラブルを起こしており、アルコール依存症だったことを告白しています。反ユダヤ的発言をしたギブソンは、ハリウッドから干されることとなり、その後は不倫騒動や離婚、恋人から家庭内暴力(DV)で訴えられるなどプライベートでも転落人生を歩むことになってしまいました。

 ジョニー・デップは昨年、ハリウッド・フィルム・アワードの授賞式で酩酊状態でステージにあがってスピーチをしてファンを驚かせました。ろれつがまわらないほど酔っぱらっていたデップは放送禁止用語も連発したといわれ、アルコール依存症が心配されていました。12歳から酒を飲み始めたデップは、ハリウッドでも無類の酒好きで有名。しかし、23歳年下の女優アンバー・ハードと結婚したことで断酒をしていたといわれていましたが、その後はアルコール依存症の治療を受けるために「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ最新作の撮影を中断したと伝えられました。

 飲酒運転で逮捕されたスターは数知れず。大人気ドラマ「24」シリーズのジャック・バウアー役で知られるキーファー・サザーランドは、07年に飲酒運転で逮捕されていますが、なんとこれが4度目の逮捕。この時は保護観察処分中だったために禁固刑が言い渡されて収監されました。

 他にも、12年に逮捕された「LOST」のマシュー・フォックス、「フルハウス」のジョン・ステイモス、パリス・ヒルトンやリンジー・ローハンといったお騒がせセレブ、アマンダ・バインズ、ジャスティン・ビーバー、ミーシャ・バートン…と過去に逮捕されたことのあるスターは驚くほどたくさんいます。

 あの大物も? と驚く人まで、アルコール依存症の過去を持っています。「アイアンマン」シリーズの大ヒットで今やハリウッドでもっとも高額なギャラを稼ぐ俳優となったロバート・ダウニーJrもその1人。また、昨年に自殺したロビン・ウィリアムズさんも、1980年代初頭からアルコールとコカイン中毒に陥り、リハビリ施設への入退院を繰り返していたといわれています。20年間酒絶ちをしていましたが、06年には再び酒を飲むようになったことを明かし、再び依存症の治療を受けていました。

 また「ホーム・アローン」の子役として一躍有名になったマコーレー・カルキンやドリュー・バリモア、ハーレイ・ジョエル・オスメントら子役で名を馳せたスターの多くは10代の頃からアルコール依存症に陥るケースが多く、その後は薬物中毒になるというお決まりの転落人生を送っています。

 ストレスやプレッシャーなどから実に多くのスターが酒に溺れて、トラブルを起こしていますが、アルコール依存症を克服して再起を果たすスターも大勢います。これもアルコールや薬物に寛大なハリウッドならではのこと。ラブーフも、今度こそは立ち直ることができると良いですね。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)