シャロン・ストーンやシャーリーズ・セロン、マドンナ、ナオミ・キャンベルら大物スターたちが人気絶頂期にヌードを披露するなど、60年以上に渡ってアメリカの文化に大きな衝撃と影響力を与え、時代の先端を常に走り続けてきたPLAYBOY(プレイボーイ)誌が、脱ヌード宣言をしたことは多くのファンや業界の人たちを驚かせました。毎号必ず美女たちのヌードが掲載され、アメリカの大衆文化として存在感を示してきた同誌からヌードがなくなる日が来るとは誰も想像していなかったことでしょう。おそらく中高年男性の多くは、ティーンエイジャー時代にプレイボーイ誌をこっそり手にとり、そこで初めて女性のお色気に触れるという儀式を通過してきたことでしょうが、今年を最後にヌードから撤退するため、プレイボーイ誌でヌードを見るのは次号で見納めです。

 インターネットの普及した現代、人々にとってポルノがより身近な存在となり、ポルノ雑誌の価値や存在意義が薄れてしまったことから、売上が低迷。誌面の大幅なリニューアルの一環として、10月中旬に「来年からヌードの掲載を辞める」と発表しました。そしてついに、今月11日に最後のヌード号となる2016年1/2月合併号が発売されます。1953年にマリリン・モンローのヌードを掲載して創刊されたプレイボーイ誌は、第2号が出せるか分からないからと日付がなかったというのは有名な話。しかし、それ以降、62年に渡ってセンセーショナルな性を常に読者に届けてきた同誌は、有名スターのヌードや美女たちのセクシーショットを掲載しながらもマルコム・X氏やジミー・カーター元大統領ら著名人の硬派なインタビューも掲載して高く評価されてきたことでも知られています。

 記念すべき最後のヌードグラビアを飾るのは、過去に同誌で何度もヌードを披露してきたモデルで女優のパメラ・アンダーソン。ドラマ「ベイウォッチ」シリーズ(92~97年)などで知られるアンダーソンが、グラビアを飾るのは1989年に初登場して以来最多タイとなる14度目。豊満な胸を腕で隠した表紙写真が公開されました。「最後のヌードは君以外には考えられない」と、創設者のヒュー・ヘフナー氏の代理人から直接口説かれたというアンダーソンは、「方向転換する話を聞いた時は驚いたが、インターネットと競争するのは大変。シャツの下でさえ自撮りするような時代。神秘というものがなくなった」とコメントしている。プレイボーイ誌に登場するモデルは「プレイメイト」と呼ばれて人気を博し、一時代を築きましたが、70年代には560万部もあった発行部数がSNSの急激な発達によって現在は80万部まで落ち込んだといわれています。

 プレイボーイ誌からヌードがなくなったら、果たしてどんな雑誌になるのでしょう。目玉の1つだった「今月のプレイメイト」のコーナーはどうやら残るようですが、もちろんきわどい表現はなく、映画でいうところのPG13(13歳未満は要保護者の同伴)程度になるといわれています。うさぎをあしらったロゴは全世界で広く知られ、ブランド価値は確固たるもの。これからはミレニアム世代といわれる18~30歳代を対象に、エロスの新たな表現方法を模索しながら再び時代に挑戦を続けていくのではないでしょうか。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)