ドラム、和太鼓、しの笛などをあわせた異色のバンド「宝道」が結成20周年を迎え、今年7月にツアーを開催する。メンバーの藤井修(66)、杉山貴瑛(38)、永井孝太郎(28)がこのほど東京・日刊スポーツを訪問し、ツアーへの抱負などを熱く語った。
宝道はドラマーの藤井がアフリカの打楽器「ジャンベ」に興味を持ち、「最初は弟子たちとバラバラでやっていたけど、どうせやるならバンドで」と06年に結成。これまでは「地域のお祭りや学校など、ボランティア活動を中心に活動してきました」。現在は男性3人、女性2人の5人体制だが、バンド活動としては男性3人で3年前から活動している。
杉山と永井は、藤井が講師を務めるドラムスクールの生徒だった。杉山は実家が和太鼓店。「和太鼓は小学生の頃、地元のお祭りでたたいていましたが、中学高校は全く触れてなくて、とにかくドラムをたたきたかった」。永井は「小学生の時、4年生から入れる金管バンドがあって、そこにパーカッションで入った」。だが、「6年生のドラムが辞めた時にオーディションがあって、そこでドラム経験はなかったけどドラムをやることになった」。実際にやってみると「めちゃくちゃ楽しくて、たたけるようになりたいと思った」。その結果、2人は藤井講師の教室へと入門した。
元々は打楽器集団だったが3年前、杉山が主に和太鼓、永井が主にしの笛と、「1人1人の役割がはっきりしてきた」と藤井。「今は3人で出せる限り、パフォーマンスの限界に挑戦しています」とアピールした。
ドラムと和太鼓のみの緊張感あふれるスリリングな楽曲もあれば、そこにしの笛やキーボードのメロディーをのせた楽曲など、宝道ならではの唯一無二のサウンドを作り出している。曲作りについて藤井は、「基本は杉山が和太鼓を中心にした根っこを作って、そこから3人でアレンジしています」とした。
2月には、結成20周年&CD発売記念として、東京・目黒ブルースアレイでライブを開催。「思っていた以上の反響で、皆さんに楽しんでいただけたと思っています」と藤井は胸を張った。
杉山は「初めはいいものを見せなきゃと気負いすぎていた」と明かしつつ、「お客さんの笑顔が見えて、僕たちの思いが伝わっていると思ったら気持ちも楽になって、楽しくできました」と振り返った。
永井は「スタッフさんに支えていただいて、ステージに立たせていただくということが、自分の中で大きく変わったことなんです」と説明。「だからこそ、皆さんの思いを超えられるようなライブにしたいと思って挑んだ」という。その結果、「客さんの反応や終わってから言葉を聞く限り、最低限、喜ばせることができたんじゃないかなと思っています」と胸を張った。
そして7月には名古屋、大阪、岡山、東京のツアーを控えている。藤井にとって同ツアーは昨年8月、61歳で早過ぎる死を迎えた盟友、“NoB”こと山田信夫さんへの追悼の意味もあるという。
NoBさんとは、プロミュージシャンによる本気のカバーバンド「OSAMU METAL 80's」(オサメタ)などで共に音を紡いだ。「この4カ所はオサメタでツアーをやった流れなんです」とすると、「NoBともう一度ツアーをやりたかったんですけど…。だから、ちょっと意識した部分もある」と胸中を吐露。
「宝道でライブをやって、ミニアルバム作って、ツアーもやってと、なんかトントン拍子で決まっていったのは、NoBがそういう流れを作ってくれたのかなと感慨深いとこもある」と明かした。
また、杉山と永井に向けて「ミュージシャンとして、ツアーの過酷さを経験してもらって、成長してほしいと思っています」と師匠としてエールを送った。
永井は「僕にとってはツアー自体が初めてで、3日連続ライブも初経験なので不安もありますが、ワクワクのほうが勝っています」とすると、「毎日ライブができるという環境を全力で楽しんで、成長して帰ってきます」。
杉山は「2月のライブが自信にもつながりましたが、さらにそこを超えていかないといけないなとも思っています」とし、「ここから登っていくためのきっかけにしたいと思います」。
海外からの出演オファーもあるという。杉山は「和太鼓を教えていた学校の関係者が海外にいて、その方が宝道のパフォーマンスに興味を持ってくれた」。藤井の海外ミュージシャン仲間も興味を示しているといい「2人はまだ若いけど、僕はもういい年なので…」と苦笑い。「あと何年できるかもあるので、できるだけ早いうちに実現したいと思っています」とアピールした。【川田和博】



