プレイボーイ邸の裏側を回顧録で暴露したヒュー・ヘフナー氏(89)の元愛人ホリー・マディソン(35)が9月末、米人気トーク番組に出演。08年にヘフナー氏と別れる際、300万ドル(約3億6000万円)の遺産を残すという約束と引き換えに、引き留められたと告白した。ヘフナー氏の寝室に遺言状が置いてあり、「プレイボーイ邸にずっといれば、300万ドルの遺産を残す」と書かれていたらしい。マディソンは「彼が私に見えるように、わざとそこに置いていたことは明らかだった。お金で引き留めようとする彼の態度に、とても気分が悪くなった」と振り返っている。

暴露本がベストセラーとなったヘフナー氏の元愛人ホリー・マディソン(本人のインスタグラムより)
暴露本がベストセラーとなったヘフナー氏の元愛人ホリー・マディソン(本人のインスタグラムより)

 当時7人いた愛人のうち、2人が邸から出て行くことになり、さらに、愛人ナンバーワンだったマディソンまでが出て行くとなれば、80代のヘフナー氏が寂しさのあまり、そのような行動に出てもおかしくはない。しかし、すべてが幻想だったことに気づき、邸での生活に嫌気がさしていたマディソンをお金で買うことは、もはやできなかったようだ。

 そして最近、愛人の1人だったケンドラ・ウィルキンソン(30)が米メディアで、マディソンの回顧録を批判し、ヘフナー氏を擁護。「彼が与えてくれたものに感謝できないなんて、恥よ。このタイミングも疑問だわ。”彼女は復讐(ふくしゅう)したがっているのかしら?”と思ってしまう。結局、本性が現れるものよ」と語っている。プレイボーイ邸時代からマディソンとは不仲だったウィルキンソンは、マディソンの書いていることはウソだらけだと主張している。

ヘフナー氏元愛人の1人、ケンドラ・ウィルキンソン(本人のインスタグラムより)
ヘフナー氏元愛人の1人、ケンドラ・ウィルキンソン(本人のインスタグラムより)

 ヘフナー氏の愛人でなくなった後は、一家で主演するリアリティー番組が好調で、年収数億円は下らないウィルキンソン。10年に回顧録を発表し、プレイボーイ邸の内情を暴露しているが、ヘフナー氏については、優しい父親のような存在として描いており、同氏にとって毒にならない範囲での暴露だった。しかし、19歳でヘフナー氏の愛人の1人となったウィルキンソンにしても、邸での自由を奪われた生活に満足していたわけではなく、マディソンより先に邸を去っている。

 愛人たちは有名になることや、豪邸での生活、未来のビッグチャンスを夢見てプレイボーイ邸に住んだものの、結局は、自由や若さなど、犠牲にするものが大きすぎることに気づき、去って行ったわけである。ウィルキンソンがヘフナー氏の肩を持つ理由は、ヘフナー氏への感謝もあろうが、ハリウッド業界やメディアで力を持つヘフナー氏に対し、「今後もお世話になるかもしれない」という打算も当然あるだろう。

 ウィルキンソンは2児をもうけたフットボール選手の夫ハンク・バスケットの浮気、そして離婚が報じられるなど、私生活が不安定な様相を呈している。一方のマディソンは、10年より1年間にわたり、自らのリアリティー番組に主演。13年に結婚した夫との間に2歳になる娘をもうけ、結婚生活はうまくいっている様子だ。6月に発表した回顧録はベストセラーとなり、来年夏には第2弾となる著書(恋愛本)を発表予定となっている。もはや、ヘフナー氏との間にあった橋を焼き切り、大勝負に出た感がある。

 2人のうちのどちらも、ヘフナー氏の元愛人という肩書がなければ、世間に見向きもされなかったことは確かだ。したたかな女たちは、賞味期限が切れないうちに勝負をかけなければならないことを、本能的に知っているのだ。

【鹿目直子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「SPY!CELEBRITY」)