全日本空輸は、保有するジャンボ旅客機「ボーイング747」(座席数565)を14年3月末に全て引退させる。燃費性能が劣るジャンボ機の退役させ、経費削減を進める。羽田発着の札幌(新千歳)、那覇両線で使っている5機が対象で、このうちの1機「ピカチュウジャンボ」は今秋に引退する。大量輸送で日本の経済成長を象徴した往年の花形機種が、国内線から姿を消すことになる。

 全日空は1979年に国内線で運航を始めた。86年に開設した成田―米ロサンゼルス線で使うなど、同社の国際線拡大の一翼を担った。しかし近年、同社と日本航空は経費削減の一環として、燃費性能が優れる小・中型機へ機材の重点を移している。日航は11年3月に全ジャンボ機を退役させている。

 全日空でジャンボ機の操縦かんを握ってきた機長の1人は「迅速に飛行でき、揺れにくい良い航空機だ。機長になりたいという、高校時代からの夢をかなえた機体なので思い出深い。最後まで安全運航を続ける」と話している。