劇団四季創立者の演出家浅利慶太氏(81)が2月で四季を離れ、独自活動を行うことが7日、分かった。「浅利演出事務所」をベースに四季の協力を受けながら小規模な公演を続ける。

 1953年(昭28)に日下武史ら8人で劇団四季を創立。四季の代表、演出家としてミュージカル「キャッツ」などのロングランを成功させ、全国に8つの専用劇場、1000人を超える劇団員、年間300万人を動員するなど日本最大の劇団に育てた。

 昨年6月に社長を退任して劇団経営の一線から退いたが、演出家として劇団に残る意向を示していた。しかし先月3日の総会で劇団から離れることを表明。3月発行の劇団会報誌で「創作面についても後進に継承する時期に来た」「俳優たちが長年培われてきた劇団の理念と方法論を守ってくれることを信じ、見守っていきたい」と思いを明かした。独自活動の第1弾でジロドゥ作「オンディーヌ」(来月19日~5月5日)を東京・自由劇場で上演。妻の女優野村玲子や笠松はる、坂本里咲ら四季を退団した俳優らが出演する。