今月1日付で就任した宝塚歌劇団の小川友次新理事長(58)が16日、兵庫県宝塚市内の同劇団で取材会を開き、101年目の新世紀へ入った劇団に「新しい風を吹かせたい」と抱負を語った。

 小川新理事長は、劇団より、野球との縁が深い。

 慶大野球部出身で、4年生だった78年5月29日、早大3回戦で7回に決勝弾を放ち、慶大は早大から5シーズンぶりに勝ち点をあげ、早慶戦の“劇弾男”としても知られ、79年に阪急電鉄に入社すると、83年からは阪急ブレーブス(当時)の広報に就任。翌84年のリーグ優勝を支えた。

 「時の流れは感じますね。確かに…。山沖は、ものすごい音痴でしたが、芹香さんは成長が早いですね」

 トップ明日海りお率いる新生花組で、入団8年目の終盤に2番手に就いた芹香斗亜(せりか・とあ)は、元阪急エースの山沖之彦氏の娘で、その成長に驚いた。

 小川氏が阪急広報時代、山沖氏は現役選手で「ある人の結婚式で歌った山沖の音痴ぶりには度肝を抜かされた」と笑った。

 山沖氏は、劇団OGの白川亜樹と結婚し、その娘の芹香が劇団に入り、いまや、新生花組を支える男役スターとして活躍している。

 隔世の感を感じつつも、不思議な縁には感慨深い様子だ。

 小川氏は「101年目、宝塚新世紀に入り、100年後に『あの101年があったからよかった』と言われるような新世紀の入り口にしたい。そのためには、情報社会の今の時代、よりお客さまと近づく手法を考えたい」と語った。

 劇団とは98年の宙組新設時から関わり、09年4月から梅田芸術劇場の社長に就き、13年から阪急電鉄創遊事業本部歌劇事業部長。14年3月から宝塚歌劇団の理事をそれぞれ兼任しており、小川氏は、1世紀の伝統を誇るタカラヅカに「新たな風」を吹かせることを約束した。