声優野沢雅子が18日、東京・新宿バルト9で行われたアニメ映画「ドラゴンボールZ 復活の『F』」(山室直儀監督)初日舞台あいさつ後、取材に応じ、15日に肺炎で亡くなった愛川欽也さん(享年80)への思いを語った。

 2人はフジテレビ系アニメ「いなかっぺ大将」などで共演したほか、愛川さんが司会を務めた同系「なるほど! ザ・ワールド」で野沢がナレーションを務めた。

 愛川さんが「いなかっぺ大将」以後、声優から俳優業に重きを置くようになったため、「なるほど! ザ・ワールド」の年末のパーティーで顔を合わせる程度しか会う機会はなくなり、数年前にお互いが常連の都内の店で会ったのが最後だったという。

 野沢は「下町の人で、すごく温かい人。皆さんと同じ目線で話してくださる人だった。電話番号を知っていたけれど、お忙しいので、気を使うと思ってかけませんでした。(携帯電話に)番号は入っているけど、消しません」と語った。声優時代など昔から知っている人は、愛川さんのことを「キンキン」ではなく「はんちょう」と呼ぶといい「はんちょうって呼んでいる人は(悲しくて)どうしたらいいか分からないんだと思う」と悲痛な思いを吐露。「私の中では、はんちょうも(愛川さんが『いなかっぺ大将』で演じた)ニャンコ先生も生きています」と自らに言い聞かせるように口にした。