井上陽水(66)が14年ぶりにカバーアルバムを発表することが17日、分かった。「UNITED COVER2」を来月29日に発売する。幅広い選曲に加え、セルフカバーや新曲2曲も収録する意欲作となった。新作発表に伴い、40年ぶりに古巣のレコード会社に復帰する。

 陽水にとって01年「UNITED COVER」以来2作目のカバーアルバムとなる。前作は、日本人男性歌手のカバーアルバムとして、初めて50万枚売り上げる大ヒットとなった。今回は、フランク永井からザ・ビートルズ、宇多田ヒカルまで、幅広い歌手の曲を選んだ。永遠のライバルといわれる吉田拓郎の曲も初めてカバーした。さらに、セルフカバーした「氷の世界」や、NHK「ブラタモリ」のオープニングやエンディングに流れる「女神」「瞬き」の新曲2曲も収録している。

 陽水は選曲について、「その時、その時で心に引っかかった曲をカバーしました」と話している。引っかかったポイントについて「ロマンスです。これからの時代はロマンスです」としている。関係者は「全曲そうなのですが、特に『リフレインが叫んでる』『シルエット・ロマンス』は弦楽器や管楽器も入り、聴き応えのあるアレンジで、本人も大満足の素晴らしい出来になりました」と話す。

 昨年末から、オリジナル曲を含め、さまざまな曲のレコーディングを行ってきた。その中でカバー曲が多くなったため、「UNITED-」第2弾の発表を決めたという。今年3月まで開催していたツアーと並行しながら、都内にいる時はできるだけスタジオに入り、精力的にレコーディングを行ったという。

 久々のカバーアルバム発表のタイミングで、環境も変えた。75年に吉田拓郎らと設立したフォーライフ・レコードからこのほど、ユニバーサルミュージックに移った。フォーライフ設立前はポリドール(現ユニバーサル)に所属しており、約40年ぶりの古巣復帰となる。関係者によると、陽水は「どこにいようが、やる音楽は変わりませんが、環境が変わり、新しいスタッフと出会い、毎日がエキサイティングです」と話していたという。

 今年秋に全国ツアーを開催し、新作カバーアルバムの収録曲も披露する予定だ。