アニメ「ドラえもん」のジャイアン役などで知られ、18日に急性呼吸器不全で亡くなった声優たてかべ和也(かずや)さん(本名・立壁和也=たてかべ・かずや、享年80)の通夜が23日、東京・青山葬儀所で営まれた。この日、弔問に訪れた2代目ジャイアン役の木村昴は、涙を浮かべながら、たてかべさんへの思いを語った。

 木村は2代目ジャイアンに決まった10年前は、まだ14歳だった。それでも、たてかべさんは「不安なことがあっても、今まで、どう演じてきたか聞きたいことがいっぱいあっても、ひと言しか言ってくださらなかった」という。その一言は「思い切りやれ」だった。

 たてかべさんは、ジャイアン役をバトンタッチする際「2代目と酒を飲みたい」と語っていたというが、それが14歳の木村だと知ってガッカリしていたという。それでも、そこから「20歳まで、あと何年と一緒にカウントダウンしてくれた」という。20歳になった時、木村はビール、たてかべさんは日本酒で乾杯したという。

 木村は「2代目は任せて下さいとお伝えしました」と涙ながらに語った。この日は献花の代わりに、たてかべさんが大好きな日本酒による献杯が行われた。木村は「僕とたてかべさんの間で、お酒は特別な意味があった。懐かしい気持ちになったし、不思議ですが、うれしい気持ちにもなりました」と涙声で語った。