ファンキー加藤(36)が俳優業にも本格進出することが26日、分かった。映画「サブイボマスク」(門馬直人監督、来年初夏公開)に主演する。全国ツアーが終了した今月上旬から、演技指導を受け、ダイエットにも取り組んでいる。試行錯誤しながら俳優モードに突入した。

 映画は、人々のやる気を奮い立たせる「人おこし」がテーマのコメディー。寂れた地方都市の商店街を舞台に、暑苦しいほどの熱意と応援歌で、地元を再度活性化させようとする男の奮闘を描く。ファンキー加藤が演じるのは、何でも屋店員。地元を盛り上げることだけを考えている天然で熱血バカなキャラクターだ。製作側は「最高の熱いキャラクターを生み出したいという企画にピッタリの熱量を感じた」と起用について説明する。

 これまで出演したドラマや映画はわずか2本。主題歌を歌った昨年の藤原竜也主演の日本テレビ系連続ドラマ「ST赤と白の捜査ファイル」第1話に特別ゲストとして出演したほか、密着取材を受けたドキュメンタリー映画「ファンキー加藤/My VOICE~ファンモンから新たな未来へ~」が昨年2月に公開された。本格的な演技に初挑戦となるが、いきなり主演に抜てきされた形となった。

 商店街でストリートライブを行う場面もあり、そこで歌う劇中歌はもちろん、主題歌も担当する。全国ツアーを行う傍ら、10曲ほど候補曲を作った。

 全国ツアーを終了後、俳優モードに突入。門馬監督から演技指導を受けたり、「結果にコミットするために」と食事制限やキックボクシングによるダイエットも行っている。「今はとにかくプレッシャーが大きいです。最近はずっと台本とにらめっこしています」という。戸惑いもあるようで、「歌と違って台本を覚えるのが大変。演技は相手とのやりとりや間(ま)がメーンになってくるから一番大変かなと思います。これからSMAPの木村さんに相談しようと思います(笑い)」と交流を持つ先輩に“指南”を求める。

 脚本は風間俊介の主演映画「前橋ヴィジュアル系」などの一雫ライオン氏が書き下ろしたオリジナル。撮影は来月下旬から、全面協力する大分県で約1カ月間行う。ファンキー加藤は「この世界では一番の新人俳優。謙虚につつましくいたい。毎日が勉強です」と話している。【近藤由美子】

 ◆ファンキー加藤 1978年(昭53)12月18日、東京都生まれ。04年にモン吉、DJケミカルとファンキーモンキーベイビーズ結成。06年1月に「そのまんま東へ」でメジャーデビュー。13年6月の東京ドーム公演で解散。14年2月シングル「My VOICE」でソロデビュー、同9月にソロ初アルバム「ONE」を発表。13年4月に結婚、今年2月に長男誕生。血液型A。

 ◆映画「サブイボマスク」 町はずれの大型ショッピングセンターが繁盛する一方、駅前のシャッター商店街は閑古鳥が鳴く。商店街の本来の魅力である活気やにぎわいを取り戻すため、商店街の人々のやる気を奮い立たせようとする男がいた。男は街の青年団に所属する何でも屋の店員。歌が好きで、老人相手にストリートライブを行い、みんなを笑顔にしようとする。実写映像に加え、主要キャストが見た世界をアニメで表現する場面もある。