米音楽界で最も権威のある音楽の祭典「第58回グラミー賞」の授賞式が15日、米ロサンゼルスのステイプルズ・センターで行われ、歌手レディー・ガガ(29)が先月10日に死去したデビッド・ボウイさんの追悼パフォーマンスを披露した。

 デザイナーの山本寛斎氏がデザインした「出火吐暴威(デビッド・ボウイ)」と漢字が書かれた白いマントを羽織ってステージに登場。途中でマントを脱ぎ捨てて、70年代のボウイさんをほうふつさせるグラマラスな衣装で、「レッツ・ダンス」「スペース・オディティ」などボウイさんの名曲を10曲をメドレーで熱唱した。今回のパフォーマンスは、かねてボウイさんのファンだったガガの意向で実現し、「レッツ・ダンス」をプロデュースしたナイル・ロジャー氏が監督を務めた。ガガは事前にボウイさんの顔のタトゥーを左脇腹に入れてステージに臨む気合の入れようだった。

 歌手テイラー・スウィフトが主要部門の年間最優秀アルバムを獲得した他、最優秀ミュージック・ビデオ、最優秀ポップ・ボーカル・アルバムの3冠に輝いた。女性アーティストとしては史上初となる年間最優秀アルバムを2度受賞の快挙となったスウィフトは、「成功を夢見ている人や名声を得たいと思っている人もいると思います。気をそらさずに自分自身に集中して下さい」とコメント。ステージではヒット曲「アウト・オブ・ザ・ウッズ」を披露した。

 日本人では指揮者の小澤征爾氏(80)が指揮をしたラベル作曲の歌劇「こどもと魔法」で、最優秀オペラ・レコーディングを受賞。8度目のノミネートで、今回が初の受賞となった。また、俳優渡辺謙が主演したブロードウェイ・ミュージカル「王様と私」は、最優秀劇場ミュージカル・アルバムにノミネートされていたが、受賞を逃した。(ロサンゼルス=千歳香奈子)