米国時間の28日行われた第88回アカデミー賞授賞式で、オリジナルソング賞部門で候補となっていたレディー・ガガが、ピアノと共に力強い演奏を披露し、会場内を感動の渦に巻き込んだ。

 ジョー・バイデン米副大統領が、「今夜は皆さんに、誓いを立てるために、何百万人ものアメリカ人たちに参加するようお願いしたい。その誓いとは、”私は同意のない、許可を与えることができない状況に介入します”という誓いです」と会場内の出席者らに呼びかけるとともに、ガガを紹介。白いドレススーツに身を包んだガガがグランドピアノを弾きながら、大学内のレイプ問題について描いたドキュメンタリー映画「The Hunting Ground」のテーマ曲「Til It Happens To You」を演奏した。

 その間、大勢の若い男女のレイプ犠牲者たちがステージに集まり、演奏の最後に、ガガと犠牲者たち全員がつなぎあった手を高らかに掲げると、場内でスタンディングオベーションが沸き起こり、ケイト・ウィンスレットら出席者たちが感動の涙を流していた。

 ガガは昨年12月、19歳の時にレイプされたことを告白。「7年ぐらい、誰にも言えなかった。このことが私の人生、私という人間、考え方もすべて変えてしまった」と明かした。

 授賞式に婚約者のテイラー・キニーと共に出席したガガは演奏前、会場でキニーとキスしている写真をインスタグラムで公開し、「自分の体が虐待者によって破滅させられたと感じていたので、誰も私を愛してくれるとは思わなかった。でも、彼は私の中のサバイバーを愛してくれている。彼は一晩中、誇らしげに私を支えてくれた。これこそが、本物の男です」とメッセージした。(ニューヨーク=鹿目直子)