米国時間の28日に開かれたアカデミー賞授賞式でパワフルな演奏を披露し、世界中の人々を感動の渦に巻き込んだレディー・ガガが、リハーサル初日では最悪の状態だったことを明かした。

 昨年、レイプの犠牲者であることを告白したガガは、大学内のレイプ問題について描いたドキュメンタリー映画「The Hunting Ground」のテーマ曲「Til It Happens To You」をダイアン・ウォーレンと共同で創った。ガガはオリジナルソング賞部門でノミネートされたこの曲を、ピアノ演奏とともに熱唱。最後はステージに集まった大勢のレイプ犠牲者たちと手をつなぎ、フィナーレを飾った。場内ではスタンディングオベーションが沸き起こり、感動のあまり、涙ぐむ出席者たちの姿もあった。

 ガガは米国時間の1日、数人のレイプ犠牲者たちとの写真をインスタグラムに公開し、「サバイバーたち全員と一緒だったリハーサル初日、私はボロボロの状態だった。身体は腫れと痛みでガタガタ。泣きながら、震えながら、ステージへと歩いた。前の晩は一晩中、眠れなかった。このグループに自分も属するのだという事実に、ついに直面するという恐れだった。歌は最後まで歌えず、高音部は全滅。髪の毛はびしょびしょで、汚れたTシャツとジーンズ姿だった」と明かした

 しかし、同じ痛みを分かち合う仲間のサバイバーたちが困難な初日を助けてくれたと明かし、「彼女たちが皆で私を抱きしめてくれて、大丈夫だからと言ってくれた。このメッセージを聞いてもらう必要があるから、私を支えるためにここにいるのだと。彼女たちなしでは、強さを感じることは決してできなかった。彼女たちは、最悪の状況にある私を受け入れてくれた。彼女たちの勇気の魔法に助けられた」と語っている。(ニューヨーク=鹿目直子)