嵐の二宮和也(32)が「母と暮せば」(山田洋次監督)で最優秀主演男優賞を初受賞した。黄色い歓声に包まれる中、母役の吉永小百合(70)と固く握手し、受賞を喜び合った。

 昨年は事務所の先輩、V6岡田准一が受賞した様子を、自宅のテレビで見ていた。「すごくうれしくて、いい酒だなと思っていた。でも、飲んでいるうちに悔しくなって『俺も欲しいな』と思った」。そんなある日、岡田から「次はお前だからな」と声を掛けられ、闘志に火がついた。岡田とは受賞後、一緒に写真を撮った。「『落ち着いたら、(新人賞の)山田(涼介)と3人で行こうか』と言ってくれた」と、祝勝会の誘いを受けたことを喜んだ。

 二宮は長崎の原爆で命を落としながら、婚約者が気になって母のもとへ降りてくる霊を演じた。山田監督、吉永という映画界の大先輩を前に「足を引っ張る存在にすらなれない」と本音を漏らした。2人に少しでも近づくには、映画人として日々、精進することしかない。「頂いたことが奇跡にならないように、これから1つ1つ頑張りたい」と誓っていた。