元美人アナの願い-。ダウン症の長男(2)がいる、元テレビ朝日アナウンサーの龍円愛梨さん(39)が22日、都内で日刊スポーツの取材に応じ、子育てについて持論を語った。

 5月5日の「こどもの日」に誕生した長男が、間もなく3歳を迎える。龍円さんは「早いですね。毎日、子どもの成長に驚き、人生で一番楽しい生活を送っています」と笑みを見せた。保育園へ長男を迎えに行き、公園では英語で歌を歌ったり、手話でコミュニケーションを図るなど母としての顔が垣間見えた。

 99年、テレビ朝日に入社。06年に報道局社会部へ異動後、警視庁記者などを担当した。11年12月に同局を退職。趣味のサーフィンで知り合った貿易業の日系米国人男性と事実婚をして、米・カリフォルニア州へ引っ越した。13年5月に長男を出産。翌6月の遺伝子検査で長男のダウン症が判明した。「全く、想像していませんでした。医師にティッシュ箱を渡され、動揺して『私が悪いの、ごめんなさい…』」と号泣したが、「子どもが幸せと思えるよう育てたい」とすぐに前を向いた。欧米は日本に比べ、特別支援が必要な子どもと親に対する育児環境が充実しているため、必死にダウン症について学んだ。

 昨年5月、一時帰国した。同11月から米国で実践した療育や療育情報を同じ立場の人へ共有するため、都内で月3回、ダウン症の子と親が集う「DS SMILE CLASS」を開催している。ブログなどで申し込みが相次ぎ、毎回、満員となっている。ダウン症の子は言葉の発達が遅れることが多いため、教室では、米国で習った手話などを共有し、親子がコミュニケーションを図っている。あくまでも龍円さんは同等の立場で「経験や情報をシェアする」という考え方だ。 5月28日には東京・大久保で教室の親睦会を初開催する。親子で計150人ぐらいが参加する予定だ。龍円さんは言う。「日本は他と『違う』ことに関して、もう少し寛容であってほしいと感じます。まずは、ダウン症のことを知ってもらいたい。長男はかわいそうな子ではなくて、他の子どもと同じぐらい幸せだと思う。20年の東京五輪・パラリンピックまでには、『違う』ことを普通に受け入れられる社会にしたいし、なってほしいです」。母としてこう願いを込めた。