4月に急死した歌手プリンスさんの莫大な遺産について、新たな事実が明らかになった。米NBCニュースの報道によると、プリンスさんの遺産を管理する信託銀行の弁護士が米国時間の7日、裁判所に、2億5000万ドル(約267億円)の遺産の半分相当が国や州に支払う税金で消える可能性があると報告。このため、プリンスさんの未発表曲などを早めに売却する必要があるという。

 同弁護士は、プリンスさんが生前、遺産の中からすぐに使えるお金を割り当てていなかった場合、現金以外の多くの財産が税金支払いの締め切りに間に合うよう、処分される必要があり、その結果、遺産は激減するとしている。

 NBCによると、急いで売却することが迫られる遺産としては、プリンスさんが保管していた数々の未発表曲、さらに、ミネソタ州にあるプリンスさんの住居兼レコーディングスタジオとして知られるペイズリーパークなどが挙げられているという。

 遺産管理人の弁護士は、プリンスさんの知的所有権やペイズリーパークをめぐる様々な権利に関する契約交渉を迅速に進めることを裁判所に求めた。しかし、プリンスさんの死後、プリンスさんの子供として名乗りを上げている者たちによる複数の認知裁判により、財産処理が妨げられることを避けたがっているという。

 プリンスさんの遺産相続人である妹タイカ・ネルソンさんを始めとする兄弟姉妹たちの弁護士は米国時間の8日までに、この問題に関する主張を提出しなければならないという。(ニューヨーク=鹿目直子)