女優長沢まさみ(29)が、初のミュージカルとなる「キャバレー」(来年1月、EX THEATER六本木など)に主演することが2日、分かった。ナチス台頭前夜のドイツ・ベルリンを舞台に、ショーガールのサリー・ボウルズと、作家クリフの恋を描いた名作。このほど撮影されたイメージビジュアルでは、長沢はセクシーな衣装を身に着け、歌姫サリーになりきっている。

 長沢はこれまで、舞台「クレイジーハニー」「紫式部ダイアリー」などで存在感を見せてきたが、ミュージカルは初めて。今年2月からボイストレーニングを始めており「女優として新たな1歩を踏み出してみたく、挑戦することにしました」とコメントした。

 演出は松尾スズキ氏。長沢にとって念願だったそうで「松尾さんの舞台に出るのが夢だったので、今から楽しみです。経験豊かな共演者の皆さんにも助けをもらって素晴らしい公演になることを期待して進んでいきたい。不安やプレッシャーもありますが、何よりも楽しんで、より多くのお客さまに松尾キャバレーを見ていただきたいです」と前向きだ。

 6月半ばに行われたイメージビジュアルの撮影には、松尾氏も立ち会った。退廃的なエロチシズムを出すため、松尾氏の指示が飛び、長沢も次々に応えていった。松尾氏は「長沢さんは『何でもやります!』と、言い切りました。その心意気にとことん乗っかりたい」と期待する。

 キャバレー「キット・カット・クラブ」の司会者には石丸幹二、クリフは小池徹平が演じる。横浜、大阪、仙台、愛知、福岡公演も。

 ◆「キャバレー」は66年にブロードウェーで初演されてトニー賞8部門を受賞。72年には名優ライザ・ミネリ主演で映画化され、アカデミー賞8部門受賞に輝いた傑作。日本での初演は82年。これまでサリーは、前田美波里、真矢ミキ、藤原紀香らが演じている。松尾氏演出は07年、松雪泰子、阿部サダヲ、森山未来、星野源らが出演して上演されて以来。