群馬県前橋市のホテルで40代の女性従業員に乱暴したとして、群馬県警は23日、強姦(ごうかん)致傷容疑で、女優高畑淳子(61)の長男で俳優高畑裕太容疑者(22)を逮捕した。

 女優高畑淳子は、長男の俳優高畑裕太容疑者が逮捕されたことにショックを受けている。所属する青年座では逮捕を受け淳子と対応を協議したが、涙ぐむなどろうばいしているという。淳子は同日、現場の群馬や、被害者のもとへ向かったとの情報もある。

 淳子は最近、囲み取材などで裕太の活躍ぶりに、体を気遣う一方、今月9日発売「婦人公論」のインタビューで「とても変わった子で、かなりすっとんきょう。将来どうするのかずっと心配でした」と話していたが最悪の結果になった。

 淳子は裕太の誕生前後、一般男性と2度目の離婚をし、1人で育てた。小さいころはアトピー、ぜんそくの病気を抱え、4歳までよくしゃべれなかったという。小学校時代にはいじめの標的となり「1000円よこせ」と言われ、母の財布から金を抜いて渡した。それを知った淳子は相手宅に行き「うちの息子を今度いじめたら絞め殺すぞ」と脅し返したという。

 反抗期の中学時代は家の中に罵声が飛び交ったが、高校野球に打ち込んだ裕太が赤点で進級が危うくなった時、淳子は好きな酒を断って願掛けしたという。裕太は母と同じ桐朋短大演劇科に進み芸能界に入ったが、その時、淳子は知り合いを紹介して回った。人気が出てからは浪費を心配し、所属事務所に「給料は全額でなく一定額を支給し、残りは事務所が積み立てて」と依頼したという。

 淳子は「裕太を育てなければ、傲慢(ごうまん)で鼻持ちならない女優となっていたと思う。育てることでたくましくなった」と述懐するなど、信頼し合う仲良し親子だった。淳子はNHK大河「真田丸」出演中で、9月28日に主演舞台「雪まろげ」が幕を開ける。過去に大物女優が息子の不祥事で謹慎した例もあり、淳子の仕事にも影響が出る可能性がある。