今年28年ぶりに新作が公開される日活ロマンポルノの概要発表会見が24日、東京・有楽町の日本外国人特派員協会で行われ、11月から順次公開される作品を手がけた行定勲監督(48)ら5監督が出席した。

 行定監督は、板尾創路(53)主演の「ジムノペディに乱れる」(11月公開)でメガホンをとった。「自分が見たいと思う脚本を書いたが、NGを食らった。自分の個人的な性の目覚めを描いて、美しいと思ったが…(笑い)」。内容がマニアックすぎたためか、脚本にOKが出なかったという。結局、女性脚本家を起用した別の本で撮影を行った。「女性に向けて『作らされた』映画(笑い)。本当は1本目を見て欲しかった。今度、自分で撮ります」と、毒舌まじりに決意を口にしていた。

 冨手麻妙(とみて・あみ=22)主演の「アンチポルノ」(来年1月公開)を手がけた園子温監督(54)は、日活からの打診を1度は断ったという。「(ロマン)ポルノを取る必然性ないと断ったら、『必然性がないことを映画にしたらどうか』と言われた」。去年、行った撮影では「この国のこととかに、怒ることがいっぱいあった。『アンチポルノ』で怒りをテーマにした。誰にというより、自分に(向けた作品)。他の人は見なくていいです」と笑わせた。撮影自体は自由度が高かったといい、「意義があった。自由にやれた。久しぶりに楽しかった。感謝です」とうれしそうに話した。

 ほか「風に濡れた女」(12月公開)の塩田明彦監督(54)、「牝猫たち」(来年1月公開)の白石和弥監督(41)、「ホワイトリリー」(来年2月公開)の中田秀夫監督(55)が出席した。