公開中のアニメ映画「君の名は。」(新海誠監督)の大ヒット舞台あいさつが3日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、声優を担当した神木隆之介(23)上白石萌音(18)新海監督らが出席した。

 公開8日間で212万7800人を動員、興行収入27・1億円を記録する爆発的ヒットで、神木は「感無量です。うれしいです。幸せです」と感謝した。

 一方で、全国の多くの劇場で満席状態になっており「友達から、満席になっている写真が送られてきて、『どうしてくれるんだ』と言われた。『予約をお願いします』と言っています」とうれしい悲鳴を上げた。

 上白石は赤いワンピース姿で登場した。物語で重要な意味を持つ組ひもでできたベルトを付けており、神木から「さすがっす」と言われると、照れ笑いを浮かべた。

 新海監督は、意外なところでヒットを実感した。「引っ越す前のマンションの隣の奥さんから連絡が来たんです。小さいお子さんだった子が今、中学生になっていて『1人で映画を見て興奮して帰ってきました』とメールが来た。ずいぶん大きくなったんですねと思いました」と、しみじみ語っていた。

 大ヒットの記念として、出席者にご褒美が用意されていた。ロックバンドRADWIMPSがサプライズで登場し、カラオケで歌うほどのファンでもある神木らは「え、マジですか? 本物ですか?」と目を白黒させた。ボーカル野田洋二郎(31)がアコースティックギターの生演奏で主題歌「前前前世」を歌い、会場を感動に包んだ。

 サプライズはもう1つあった。野田が、涙を流しながら聞いていた上白石を呼び、劇中歌「なんでもないや」のデュエットを申し出た。野田との打ち合わせ中に、事の重大さが分かった上白石は「私が歌うんですか?」とおとぼけ発言で場を笑わせたが、ぶっつけ本番ではミュージカル仕込みの歌声を披露。「この18年間の中で一番幸せな時間でした。一生の思い出、宝物です」と感激で声を震わせた。