福島県いわき市のリゾート施設「スパリゾートハワイアンズ」のフラガールの姿を追ったドキュメンタリー映画「シネマハワイアンズ」(杉山太郎監督)が5日、東京・ポレポレ東中野で公開初日を迎え、出演者らが舞台あいさつを行った。

 昨年1月開催の創業50周年記念ショー「BIG MAHALO(ハワイ語でありがとうの意味)!!」が、映画の舞台。リハーサルを重ねるフラガール38人に密着した。このショーに登場し、今年7月に引退した元リーダーの大森梨江さんは「普段は見られないダンシングチームの裏側を楽しんでいただけたのでは」と笑顔を見せた。

 大森さんは、東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く福島県双葉町で生まれた。事故後の12年6月にリーダーとなり、復興を目指す福島の象徴となったチームをけん引。被災者の慰問を続けた。

 現在は専属ダンサーを育てる常磐音楽舞踊学院の副主事として、事務を担当している。「ダンサーのシフトを作ったり、日々の活動内容を決めたりしています。リーダーの時もやっていた仕事です」と説明した。

 杉山監督は、劇中でダンサーたちの過密スケジュールを紹介したことに触れ、「あれは誇張ではない。朝から練習して、ショーをやりつつ、事務もやって、次の演目の準備をする。合間に食べているのがカップ麺」と話し、笑いを誘った。