宝塚歌劇団花組トップスター、明日海りおが主演する「宝塚舞踊詩 雪華抄(せっかしょう)」「トラジェディ・アラベスク 金色(こんじき)の砂漠」が11日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した。12月13日まで。東京宝塚劇場は来年1月2日~2月5日。

 トップ娘役の花乃(かの)まりあは来年2月5日の東京公演千秋楽をもって退団することを発表しており、退団公演になる。

 公演は、四季をテーマにしたあでやかな和物ショーで幕開け。昨年は光源氏を演じて当たり役となった明日海が、今度は若衆姿で圧倒的な“美”を表現している。

 今公演は、2部が芝居と異例の構成。その芝居も明日海演じる主役が、宝塚では異色の奴隷の設定となる。花乃は、宝塚最後の舞台で気位の高い王女を熱演する。

 王女と奴隷というあり得ない間柄で、ともに熱い恋心を抱き、持て余し、愛と憎しみに揺れ、復讐(ふくしゅう)劇へつながる壮絶な展開に、明日海も「今まで、ここまで難しい関係性は演じたことがない」。男役と娘役、宝塚での関係性から考えても正反対の立場になり、最後のコンビ公演となる明日海と花乃は、意見交換を重ねてきた。

 明日海は「1日1日と舞台を作り上げてきたことで、信頼関係、安心感が大きくなっていた。今回は、2人のコンビとしての集大成をお届けしたい」と話している。