フリーアナウンサー久米宏(72)が、NHK初出演となるBSプレミアムの特別番組「結成50周年!コント55号・笑いの祭典」(23日午後9時放送)の収録を都内で行い、日刊スポーツの取材に初出演の感想を語った。

 久米はNHKのオファーに「冗談かと思った」と語ると「NHKは民放より予算があると感じた。スタッフの数にも余裕がある。うらやましく感じた。やや嫉妬です」とNHK初主演の感想を語った。今後もNHKに出演する可能性には「こんなことは2度とないと思います。事故みたいなもの」と冗談めかした。

 TBSアナから79年にフリー転身後、多忙でNHKとは縁がなかった。今回は75年から84年までTBS系「ぴったしカン・カン」で共演した萩本欽一(75)のために出演を決めた。テレビは32年ぶりの共演となる。

 久米は萩本について「やたら元気。僕は息切れしているのに。思いやりもあって素晴らしいと思った。話し方も全然変わっていない」と、久々の共演の感想を語った。萩本は「当時の久米さんのテンポが好きだったの。『欽ちゃんだめ』とか、55号をあんなふうにあしらう人は久米ちゃんだけ」と懐かしんだ。

 久米も「ぴったし-」の出演当時の思いを「それまで何度も番組をだめにしてたので最後の番組のつもりでやってました。相手はコント55号。ここで終わっても本望だとやけになっていた部分もありますね」。

 また、久米は、コント55号は、自分にとってはテレビの出演の仕方を教えてくれた存在だとも。「アナウンサーはしゃべらなくていいんだと勉強しました。アナウンサーはテレビに出るとしゃべりすぎるんです。テレビに映ったらしゃべらなくてはいけないという強迫観念。そこから救ってくれたのが萩本さんと坂上二郎さんの2人でした」と明かした。

 今回の番組は66年に結成された萩本欽一と故坂上二郎さんによるお笑いコンビ、コント55号の結成50周年を記念し、同コンビの魅力を再発見する。懐かしいお宝映像の紹介や幻のコントの再現、2人を尊敬する久米らゲストと萩本のトークで構成される。